オンライン海賊行為禁止法案を考える(その1)

「表現、閲覧の自由」か「権利者の保護」か

 

今、アメリカの下院に提出された法案が注目されています。

 

オンライン海賊行為禁止法案 (Stop Online Piracy Act, SOPA)
知的財産保護法案 (Protect IP Act, PIPA)

 

簡単にいえば、著作権侵害をおかすインターネットサイトを国がアクセスをブロック、停止することができる法案です。
アメリカで成立すれば、世界中に影響を与えるのは必至です。(TPPとも関連していますね)

 

先日の記事でも言いましたが、ネットでは大抵のものは知ることもできますし、観たり聴いたりもできます。そして、手に入れることもできます。

 

音楽も大抵、どこかの動画サイトにアップロードされています。(違法です。)

 

2011年、映画、音楽、ソフトウェア、ゲームなどその他クリエイティブコンテンツの著作権侵害による全体の損失は、あるエコノミストによれば、約750億ドルにも上るようです。(すごい額だ。。0.1%でもいいからおくれ笑)

 

作曲家協会のようなコンテンツを提供する側の組織は、やはり、この法案を支持しています。ゲーム業界は支持と不支持とで割れているようですが、コンテンツを作る側が支持、ユーザー側は不支持というのが簡単な分け方になるかもしれませんね。私自身、作曲家としての立場だけを考えれば、やはり、支持の考えになるのかもしれませんが(利益的に^^でへでへ)、 ネットユーザーのひとりとして不支持の気持ちももちろんあります。

 

今までは、著作権者が異議申し立てをして、その後に警察などが動いて、サイトの内のコンテンツの削除や停止を行ってきたわけですが、この法案が通れば、警察や検察の判断で違反だと決定できてしまいます。言葉の意味が広範囲で曖昧なこの法案は、グレーゾーンの部分もすべて一掃してしまう可能性もあります。(オマージュとかね)

 

そうすると、かなりの確率で、アンダーグランドを中心に芸術・芸能の文化が縮小していくことになるでしょう。

 

 



 

 

著作者の権利や利益の保護のための法案が、結果として、文化縮小→市場縮小で著作者の首をしめるという逆のようなことになる可能性もあるかもと私は勝手に考えます。

 

Twitterも検閲が入ると近頃ニュースになりましたし、ネット上の規制は今後どんどん強くなっていくのでしょうか。

 

ただ、言えることは、いくら規制をかけても、その規制をくぐりぬける方法がどんどんでてくることは明らかです。(実際、twitterの検閲をくぐりぬける手法が既に紹介されています。)ネット上のウィルスとウィルスソフトのいたちごっこみたいな感じでしょうか。(一時期出回ったコピーコントロールCDもすぐコピーのできる方法わかっちゃいましたし)

 

ここまで裾野(ネット)が広がってしまったら、管理や検閲を完璧にすること自体が無理なような気もします。結果として、いたちごっこみたいなことになるんだったら、もう、規制もなんもしないで、今の状態のまま、開放しとけばとも思うわけです。(規制をくぐりぬける手間分、市場が縮小しちゃうかもしれないし)

 

この考えまでいきつくと、作曲家としての法案支持の考えが薄くなります。^^

 

ゲームなどのことはわかりませんが、音楽ついて言えば、音楽市場の衰退はネットの違法ダウンロードのせいだと決めつけるのはいかがなものかと思っております。人のせいにしないで、人を魅了する音楽のひとつでもふたつでも作りださなければと思うのが、美しいクリエイターの姿なのではないでしょうか。(言っていて、心が痛い笑)

 

自分に関連することなので、もうちょっと書きたいですが、続きは次回にします。(もう、この時点で長いですよね、すみません)

 

ではでは

 

 

 

世間的には法案反対が多数ですね。作り手とユーザーだったら、絶対的にユーザーの方が圧倒的に多数ですからねえ。。

 

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