音楽だけじゃない。CM(映像)もAIで完全制作する時代へ?
【AIキャスティがCMクリエイティブの新常識ー完全AIでCM制作ー】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000060703.html
・ホープリヴス株式会社は、ディープフェイクを施さない完全AIによるCM制作サービスをAIキャスティの新サービス「AIキャスティCM」として提供を開始
・台本作成から映像生成まで全工程をAIが担当し、さらにはナレーションやBGMなども結合させ、従来のCM制作と比較して制作期間を最大90%短縮、コストを最大70%削減することが可能となった
・AIキャスティCMが他のAI CM制作技術と一線を画す最大の特徴は、ディープフェイク技術を使用せず、完全にAIで生成された映像を使用する点
・利点は、無限の創造性、柔軟な修正と更新、実際の商品も反映可能
以上、記事引用参考
クリエイティブも中間をふっとばす時代へ
私、CM制作会社を退社して、早くも20年近く経ちますが、たまにCM音楽を作ることもあるので、こういう情報はやはり気になります。
ブログで何度も取り上げているように、生成AIがどんどん音楽を作る時代になっています。そして、予想してはいましたが、CM業界、映像業界でも、やはり、その波は起こるのかもしれません。
上の会社はディープフェイクを使用しない完全AIということを強調しています。
ディープフェイクとは人物の動画や音声などを人工的に合成するAI処理技術のことです。
おそらく、ディープフェイクを使わないから、著作権的にも大丈夫ということを言いたいのだと思うのですが、どうなんでしょうねえ。
そもそも、ディープフェイク使わないで、つまり、何かを吸収、学習せずに、AIは生成することができるのでしょうか?(その辺に詳しい人教えて)
そういう疑問点もあるので、私的には、
音楽生成AI同様、今回のような映像生成AIも、著作権的にはまだまだグレーのような気がします。
話の視点を少し変えて、
今回、改めて思うことは、
AIは、クリエイティブにおいて、中間をふっとばすことを一気に進めるだろうな、ということ。
たとえば、
私たちがよく使うパソコンやスマホ。
昔は、画面の中のオブジェを動かすだけでも、プログラミング言語をしっかり打たないといけませんでした。
しかし、今は、パソコンやスマホでクリックひとつで、なんでもできるようになりました。
もちろん、パソコンやスマホの中では複雑なプログラミングが動いているのですが、私たちはそんなことは何も知らず、簡単に結果(成果)だけを享受しています。
昔
1→2→3→4→5→6→7→8→9→10
今
1→(23456789省略)→10
、、という感じでしょうか。
中間をすっ飛ばして、簡単に結果(成果)だけを享受すること。
これ、すなわち、便利とも言えるでしょう。
たとえば、
携帯電話も自動車も、水道やガスなども、多くのことを、私たちは仕組みをよくわからず結果(成果)だけ享受しています。
これらと同じように、
生成AIは、クリエイティブにおいて、この現象を大きく進めると思います。
そして、携帯電話メーカーや自動車メーカー などと同様に、音楽や映像などのクリエイティブも、数少ない大きな力(組織)に集約されていくのかもしれません。(ほとんどの音楽家が寡占状態の生成AIサービスをみんなが使うことで集約されていく。つまり、人間だけで作る音楽家の減少)
だって、1から10まで、わざわざ、携帯や自動車、水道やガスを自分で構築しようなんて誰も思いませんからね。だから、AIが勢力を増せば、クリエイティブ業界も自然とそういう流れになるでしょう。
ただ、思うのは、
携帯電話や自動車、インフラなどはともかく、
音楽や映像という文化や表現、感情、クリエイティブが、集約されていくというのは少し寂しく感じる私です。
もちろん、これら上述してきたことは、音楽家としての私見であり、個人的感情が入っていることは否定しません。
ではでは
クリックひとつで音楽や映像が作れるようになれば、ハーモニーなど、作る過程(中間)で必要な音楽理論を学ぶ人も少なくなるでしょう。映像の編集やCGも同様。そして、その中間部分がロストテクノロジーになる可能性もありますし、寡占状態になる可能性も十分ありえます。