音楽業界のラウドネス(音圧)戦争の変遷
【音楽業界に巻き起こった「ラウドネス戦争」とはどんなものだったのか?】
https://gigazine.net/news/20200113-loudness-war/
・1980年代から音楽機器の技術進歩とともにラウドネス(音量、音圧)を上げるという流れが生まれる
・ジュークボックスやラジオでは音量を調節する機能がないため、ラウドネスが高いほど、目立って良いという風潮が生まれた
・カセットだとラウドネスを上げると破損したが、デジタル化(CD誕生)によって、よりいっそうラウドネスの際限がなくなった
・高ラウドネス至上主義の流れに歯止めがかかったのは2000年代終わり頃(グラミー賞受賞のマスタリングエンジニアが疑問提起)
・2010年、ラウドネスの大きさは売上に関係ないという研究が発表。さらには、ストリーミングサービスが登場したことで、ラウドネスが正常化に向かう(ストリーミングサービスは楽曲ごとの音量のばらつきを自動で調整してくれる)
・2013年、著名なマスタリングエンジニアがラウドネス戦争の終結を宣言
以上、記事引用参考
音楽のラウドネスの変遷、人間への影響
一般の人からすると、何の話?という感じでしょうが、音楽家にとってはとても馴染み深い話です。
わかりやすい例を言えば、
昔の音楽を聴いた後、現代の音楽を聴くと大きく聴こえたり、逆に、現代の音楽を聴いた後、昔の音楽を聴くと小さく聴こえたりしたことはありませんか?
それがラウドネス(音量、音圧)というものです。
私が脱サラした2005年はまだまだラウドネス戦争の最中でしたね。歪ませずに音を大きくするというのはなかなか難しいテクニックなのです。昔、相当苦労したのを思い出します^^;
ラウンドネス戦争の終わりに向かわせた要因として、ストリーミングサービスの誕生はとても大きいと思います。
ジュークボックスやラジオでは、音楽ごとに音量がバラバラでした。だからこそ、アーティストたちは、自分の音楽を少しでも目立たそうとして、高ラウドネスを目指して音楽制作したのです。でも、今は、どんなにラウドネスを上げても、ストリーミングサービス上では、すべての音楽が一定に聴こえるように自動調整されてしまいます。そうなると、音楽家たちはラウドネスにそこまでこだわらなくなってしまいますよね。
そもそも、ラウドネスを上げれば上げるほど、音楽のレンジ(抑揚)がなくなるので、音楽的にはよくないのです。(小さく聴かせるべき音も大きくしちゃうから、音楽性が損なわれる)
実は、テレビ局は2012年頃、YouTubeは2015年頃、ラウドネスを規制する法律やフォーマットを導入しています。(Apple musicとかも続々とね)
一般の方は気づかなかったり、意識もしていないかもしれませんが、音楽家にとってはかなりの変革です。いや、一般の方にとっても変革だと思います。だって、日頃、耳に入ってくるラウドネスが変わるわけですから。(微妙に心理的影響はありそう)
どんな音楽を聴いているかも大きな影響があると思いますが、どんなラウドネス(音量、音圧)の音楽を聴いているかもかなり影響があると思う私です。
時代とともに音楽のラウドネスが変わる、、そう考えると、世代ごとに音楽に対する感覚も変わってきそうですよね。(もしかしたら、人間形成にも影響するかも?
1980年代からラウドネス化が始まり、2000年代初め頃にピークがきて、2010年代にラウドネスが正常化にすすむ
この流れで、人間形成や文化形成の変容を比較、分析してみるのもおもしろそうですね。
以上、音楽家なのに、最後は社会文化論的な話をし始めちゃう私なのでした。笑
ではでは
「極端なところに行ききってから、正常へ向かう」人類や人間はそういうものなのかなとも思いました。今はどのへん?