【AI生成タンパク質に「見えない透かし」を埋め込む「SynthID Bio」が登場、機能を保ったまま生成元を確認可能に】
https://gigazine.net/news/20261001-google-deepmind-synthid-bio/
記事の要約
・Google DeepMindが、AIによって設計されたタンパク質に人間には見えない「透かし」を埋め込む技術「SynthID Bio」を発表しました。
・これまでのSynthIDは画像や音声、動画、文章などのAI生成物を識別するための技術でしたが、今回はその仕組みを生物学の世界にまで広げたものです。
・タンパク質のアミノ酸配列をわずかに調整することで、あとから統計的に検出できる特徴を埋め込みます。タンパク質の3D構造については、原子の座標をわずかに調整して透かしを入れます。
・面白いのは、透かしを入れてもタンパク質本来の機能を維持できるとされていること。実験では、VEGF-A、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質RBD、PD-L1を標的とするタンパク質で、透かしなしのものと同程度の設計成功率や結合性能が確認されました。
・この技術が注目される背景には、AIがこれまで自然界に存在しなかった新しいタンパク質や生物学的配列を設計できるようになったことがあります。従来の「既知の危険な配列との照合」だけでは、AIが作った未知の配列の由来を判断することが難しくなる可能性があります。
・そこで透かしを使えば、「これはAIによって設計されたものなのか」「どのようなAIから生まれたものなのか」を確認するための“出どころの証明”として利用できる可能性があります。DNA合成会社による安全性チェックや、Protein Data Bankなどの生物学データベースでの識別への活用も想定されています。
・さらにGoogle DeepMindは、タンパク質だけでなく、ゲノム生成AI「Evo 2」が設計したバクテリオファージ(細菌に感染するウイルス)のゲノムにもSynthID Bioを組み込む研究を進めており、初期実験では透かし入りでも機能することが確認されたとしています。
・一方で、現時点では意図的に透かしを取り除こうとする攻撃への耐性など、課題も残っています。DeepMind自身も、SynthID Bioだけですべてのバイオセキュリティ問題を解決するものではなく、メタデータなど他の仕組みと組み合わせる必要があるとしています。
以上が記事の要約
AIの「透かし」が、ついに現実世界に入ってきた?SynthID Bioについて
以前にも、私はAIのラベリングについてブログを書きました。
SNSを見ていると、AIが作った動画や画像、音声で溢れていて、すぐにはフェイクなのか、本当に撮影されたものなのか、判別しづらくなってきました。
私たちの五感では、もう見分けられないものも増えてきています。
そこで、GoogleのSynthIDをはじめとして、多くのAIサービスが、AIによって生成されたことを確認するための「透かし」やラベリングの仕組みを導入しています。
少し極端な例えですが、
いくらでも証拠や画像、映像などを偽造できるようになれば、これからの裁判などでも、「これは本当に現実に起きたことなのか?」を確認するための仕組みが、ますます重要になってくるのではないでしょうか。
そして今回、Googleが発表したのが「SynthID Bio」。
今ではAIによって、新しいタンパク質や生物学的な配列まで設計できるようになっていることは、よく知られています。
そこで今度は、
「AIが設計したタンパク質にも、透かしを入れる」
という話です。
……ただ、ちょっと待ってださい、、、
これまで、AIの「透かし」って、あくまでデジタル生成物を判別するためのものだったわけです。
画像だったり、動画だったり、音声だったり。
つまり、
「これは現実の映像なのか、それともAIが作ったものなのか?」
という、デジタル画面の中での話でした。
ところがSynthID Bioは違います。
AIによって設計されたタンパク質そのものに、透かしを入れようとしています。
タンパク質が実際に存在している以上、これはもう「現実か、AIか」という話ではありません。
AIが作ったものが、現実世界そのものに存在する、という話になってきます。
今まではデジタル画面の中の話だったのに、これはアナログ、つまり私たちが実際に触れる現実世界そのものの話になってきているのです。
なんか、また少し次元が変わってきた話に感じませんか?
AIによる人類滅亡論なんてものが、半分エンタメのように語られることがあります。
AIがインフラを支配するとか、AIが核のボタンを押してしまうとか。
いろいろな話があります。
その中で、個人的には、
「AIによって未知のウイルスなどが設計されてしまう」
という可能性は、ちょっと怖いなと思っています。
もちろん、だからといって本当に人類滅亡につながると思っているわけではないですよ。^^;(まじめな話、AIの進化、成長において、いずれ電力や水の問題にぶつかると思ってます。)
ただ、AIが「これまで存在しなかった生物学的なもの」を設計できるようになっていくと考えると、これまでのAIとは少し違う怖さがあります。
そういう意味でも、今回のSynthID Bioのような透かし技術やラベリングはかなり重要ですし、当然の流れでしょう。
……とはいえ。
そこで、また変なことを考えてしまう。
ラベルを付けること自体による弊害って、ないんでしょうかねえ?
たとえば、人体や生態系への影響とか。
今のところ、そうした問題が確認されているという話はないようですが、AIが作ったタンパク質を現実世界で利用するようになれば、当然「どうやって管理するのか」という問題も出てきそうです。
マイクロプラスチックの話じゃないですけど、
いつかの未来では、
「気がついたら、食品の中にSynthID Bioのような透かし付きタンパク質が混在していた」
なんてこともあるのかもしれません。
さらには、
「気がついたら、自分の体の中にも、AIによって設計されたタンパク質が混在していた」
なんてことも?
……なんて、どんどん変な想像が膨らんでいきます。
極端な話、昔の「世にも奇妙な物語」みたいに、
自分では普通の人間だと思っていた、、、
ところがある日、自分の体を調べてみると、そこにはAIによって設計されたタンパク質の「透かし」があった、、、
そして実は、自分自身がAIによって設計されたタンパク質を使って作られた、人造……いや、AI造人間だった!
……みたいな。笑
まあ、これは完全にエンタメの妄想ですけどね。
とにもかくにも。
最近、AIによる生成物があまりにも増えたことで、「デジタルデトックスをしたい」とか、「アナログなものを大切にしたい」という風潮が、以前より強くなっているような気がします。
私自身も、ときどきそう思います。
でも、今回の話を見ていると、
そもそも、アナログの現実世界にもAIが入り込んでくるという意味では、
デジタル画面を閉じればAIから逃れられる、という話ではなくなってくるのかもしれません。
AIが設計したものが、実際の食品になったり、薬になったり、素材になったり、生物学的なものになったりするのであれば、もう「デジタル」と「アナログ」を分けて考えること自体が難しくなってくるのかもしれません。
そう考えると、デジタルデトックスをしているつもりでも、知らないうちにAIの恩恵を受けたり、AIによって設計されたものを使ったり、食べたりしている未来も、そう遠くないのかもしれませんね。
こんなことを言っている私も、近い未来には、
害虫にやられないタンパク質をAIで設計した野菜を「うまいうまい!」
なんて言いながら、普通に食べているのかもしれません。笑
ではでは