【オキシトシンは人を信じにくい人間を信じるように促す?】
https://phys.org/news/2026-07-neuroscientists-reveal-limits-human-compassion.html?utm_source=chatgpt.com
記事の要約
・チューリッヒ大学などの研究チームが、「人を信じにくい傾向のある男性」359人を対象に、オキシトシンが信頼行動に与える影響を調べた。
・被験者にはオキシトシン、またはプラセボ(偽薬)を投与し、その後、面識のない相手にお金を預ける「信頼ゲーム」を行ってもらった。
・オキシトシンを投与された「人を信じにくい男性」は、プラセボを投与された同じタイプの男性より、平均約15%多くのお金を相手に預けた。
・過去の同様の研究と合わせた578人の分析では、信頼行動が約17%増加。性格などの違いを考慮しても、この効果は確認された。
・ただし、オキシトシンを投与すれば誰でも人を信じやすくなるわけではない。今回確認されたのは、もともと「人を信じにくい人」に限定された効果だった。
・なぜオキシトシンがこのような効果を生むのかは、まだ明らかになっていない。研究者は、「相手も協力してくれる」という期待を強めたり、裏切られることへの恐怖を弱めたりしている可能性を考えている。
・なお、今回の研究対象は男性のみ。女性にも同じ効果があるのかは今後の研究課題とされている。
「幸せホルモン」が、人を信じるようにする?
ご存知の方も多いと思いますが、
オキシトシンは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」などと呼ばれることがあります。
人とのスキンシップや愛情を感じるときなどに分泌されるホルモンとして知られています。
では、
オキシトシンが増えれば、人はもっと人を信じるようになるのでしょうか?
今回の記事によれば、もともと人を疑いやすい男性にオキシトシンを投与したところ、そうでない人に比べて、匿名の相手を信頼する行動が増えたそうです。
なるほど。
「幸せホルモン」と呼ばれるくらいだから、人を信じる気持ちも強くなるのかな……と思ったりします。
ただ、私はここで、以前見た別の研究を思い出しました。
オキシトシンを投与すると、
自分の所属する集団へのえこひいきが強くなったり、場合によっては排他的・攻撃的な反応が強まったりするという研究です。
これを知ったとき、
「オキシトシン=愛情」って、いったい何なんだろう?
と思ったんですよね。
もしかすると、オキシトシンによる「愛情」は、単純に人間を優しくするものではなく、
「自分にとって大切な人」と「それ以外」を、よりはっきりさせる作用
なのかもしれないと思ったりもします。
愛する人をより愛する。
その一方で、それ以外の人との境界も強くなる。
そう考えると、「愛情」と「排他性」って、意外と近いところにあるのかもしれません。
まあ、このへんの話は今回の記事とは少し離れてしまうのですが、
このように、オキシトシンって、人間の心理にかなり大きな影響を与えるんだなと改めて思います。
そして、もうひとつ思い出したことがあります。
人間には、
「ずっと真面目に生きてきた人ほど、何かの拍子に反動が出る」
というような心理現象があります。
たとえば、
「ここまでずっと真面目にやってきたんだから、今日くらいはいいか」
と、普段なら絶対にしないようなことをしてしまう。
もちろん、誰もがそうなるわけではありませんが、
これって、ほかのことにも言えるのではないでしょうか。
ずっと頑張ってきた人が、突然すべてを投げ出したり。
ずっと節約してきた人が、突然ものすごい買い物をしたり。
ずっと我慢してきた人が、ある日突然、爆発したり。
つまり人間って、
ある方向に強く振れ続けると、何かのきっかけで反対方向に振れることがある。
そんな「反動」が、意外と身近に存在しているのかもしれません。
今回の記事を読んで、
「人を疑う」という方向に振れていた人が、オキシトシンによって「信頼する」という方向へ動いたことを知り、
そんなことを考えてしまいました。
人間の心理って、
右へ振れれば、左へ振れる。
そんな単純なものではないでしょうけど、
極端な状態にいるほど、何かの「スイッチ」によって大きく振れることはあるのかもしれません。
そう考えると、
極端に生きている人ほど、その「スイッチ」には注意したほうがいいのかもしれません。
普段の生活でオキシトシンを投与されることなんて、まずないでしょうけど。笑
怖いのは、スイッチがどこにあるのかわからないこと。
ちなみに、数年前にブログで以下のブログを書いたのを思い出しました。おしぼりがスイッチになりうる??笑
そんなスイッチが入って、うまく帳尻が合ってバランスが取れるならいい。
でも、
そのスイッチひとつで人生が大きく変わってしまったら……。
「やる気スイッチ、どこにあるの?」
なんてよく言いますが、
人生には、
「反動スイッチ」も、ひょっとしたらあるのかもしれません。
できれば、そっちのスイッチは、
自分で場所(発動条件)を把握しておきたいものですね。
ではでは