場所によって重力は変わるけど、気持ちは変わらない!

五輪でがんばっているアスリートの姿はとてもまぶしいですし、刺激を受けますね。五輪の放送で生活スタイルに乱れが生じてしまっている方は結構多いのではないでしょうか。暑さもありますし、体調には十分気をつけていきましょう。

 

水泳選手は全身の毛を剃ったり、体操選手はミリ単位で飛び台を調整したり、陸上選手もミリ単位でシューズの修正をしたりします。そんなちょっとした差が順位の差になってしまうこともしばしばある世界です。

 

微妙な差と言うならば、こんなところも実は選手たちに影響を与えているのではないでしょうか?

 

「重力加速度」

 

物体が地面に向かって落ちて行くときの加速度を重力加速度といいます。

 

物理の授業でも習ったように、物の落下速度は質量の大小に関係なく一定です。

 

重力加速度の単位はG(1G=9.8m/s2

 

しかし、この重力加速度は地域によって異なります。

 

たとえば、日本の北と南で比較すれば、

 

北海道は9.803~9.807m/s2

沖縄は9.789~9.792m/s2

 

改めて、重力加速度の単位はGです。(1G=9.8m/s2

 

これは、1秒後の落下速度が9.8m/sになることを意味します。

 

とういうことは、北海道に比べ、沖縄の方が物が落ちてゆく速度が僅かながら遅いことを表しています。

 

実は緯度が小さくなるに従って重力加速度は小さくなるのです。つまりは、赤道に近ければ近いほど、Gが小さくなります。北極や南極に近ければ近いほど、Gは大きくなります。

 

なぜか?感覚的にわかると思うのですが、地球は自転しています。自転軸から一番離れた赤道部分が一番遠心力がかかります。重力加速度(重力)と遠心力の相殺度合いで、赤道部分が一番、Gが少なくなるということですね。

 

重力加速度という地面にひっぱる力、すなわち、それは重力とも関わってくるわけですから、体重自体も緯度の異なるところでは微妙に変わってきます。(日本とシンガポールとで体重が違うみたいなことがおこるわけです)

 

 



 

 

再び日本で比較すれば、

 

九州での100kgは北海道での100.125kgと同じということになるそうです。

 

こんなこともあるので、実は日本の体重計は北海道用と本州用と沖縄用の3種類で分けて作られているようです。(知りませんでした。。)

 

このように、緯度によって、体の重さや、落ちるスピードが微妙ながら変わってくることを考えると、五輪開催地の緯度が自国の緯度と極端に異なる国はちょっとした感覚のズレに苦しむ可能性もあります。

 

ちなみに、ロンドンの緯度は北緯51度、東京の緯度は北緯35度。(札幌が北緯43度なので、ロンドンって実は結構、北にあるんですよね)

 

このような視点でみると、今までの五輪で一番記録の出にくい場所だったのはモスクワ(北緯55度、ロンドンとそんなに変わらない??)逆に一番記録が出やすかったのはメキシコシティ(北緯19度)ということになるようです。

 

地元の応援もそうですが、重力加速度という点でも、その環境に慣れた開催国の選手はホームゲームという強みがあるかもしれません。

 

環境の違いに負けずに日本がんばれ~!

 

ではでは

 

PS。ロケットの打ち上げも、重力加速度の低いところがちゃんと選ばれています。アメリカはフロリダ、ロシアは中央アジア、日本は種子島ですね。う~ん、おもしろい。

 

※緯度の●分という部分は省略しました。

ガリレオのピサの斜塔での実験は有名ですよね。重力加速度を語る上でピサの斜塔は欠かせません。傾きつながりで、最近、コロッセオが地盤沈下の影響で少し傾いたというニュースがありましたね。

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