AI歌手サービスやクオリティがすごい。ついにRIAAが動く。でも、違法行為もいずれはビジネス体系に組み込まれていく。

【AIによる音声クローン作成サービスを著作権侵害サイトとして認めるようにアメリカレコード協会が要請】
https://gigazine.net/news/20231012-riaa-ai-voice-cloning-piracy-watchlist/

 

・アメリカレコード協会(RIAA)は、人間の歌声をデータとして学習させることでその歌声を再現するAI音声モデルを作成できるサービス・Voicify AIを著作権侵害の潜在的な脅威であるとみなし、アメリカ政府に対して「潜在的な著作権侵害市場のリスト」に追加するように提案

Voicify AIは伴奏なしで歌うアカペラ音源を用意してアップロードしてモデルに学習させることが可能。さらに歌わせたい音源をアップロードすると、自動で歌声と伴奏を分離した上で、学習したモデルに歌わせた音源を作成してくれる

・RIAAは「ユーザーがYouTubeなどの動画をダウンロードして歌声だけのトラックをコピーした後、AIのボイスモデルを使って修正させています。無許可で行われている一連の行為は著作権を侵害しているだけでなく、アーティストのパブリシティ権も侵害しています」と述べている

・「潜在的な著作権侵害市場のリスト」には、AliExpress、WeChat、The Pirate Bayなどが掲載されている

 

以上、記事引用参考

 

 



 

違法行為(無法行為)を飲み込んで、音楽ビジネス体系がさらに再構成されていく

 

過去の偉大な歌手の歌声をAIに学習させて歌わせる、AI歌手の話はこのブログで何度も紹介してきました。

 

YouTubeなどの動画サイトには、AI歌手が歌う動画がどんどん公開されています。しかも、高いクオリティです。

 

それに対し、アメリカレコード協会(RIAA)が「著作権侵害だし、いい加減にしろよ!」と言い出したのが今回のお話。

 

 

AdelのSkyfallを歌うAIのフレディマーキュリー。QUEENのボヘミアンラプソディを歌うAIのマイケルジャクソン。

Skyfallの方が特にクオリティが高いですね。

 

このようなAI歌手による楽曲が勝手にどんどん作り出されたら、音楽権利団体が文句を言いたくなるのもわかります。

 

ただ、思うのは、

たしかに、法的にグレー状態のAI歌手ですが、ここまで確立されてしまうと、もう止めることはできないと思います。

 

おそらく、今後は、

この違法、無法行為のAI歌手をどのように、音楽のビジネス体系に組み込んでいくかという段階の話だと思います。

 

昔、2000年頃、Napsterというファイル交換ソフト(サービス)が流行しました。そこでは、インターネット上で無料で音楽のやりとりが行われていました。気軽に世界中の音楽を聴きたい放題の状態でした。もちろん、完全に違法行為です。

 

しかし、その10年後には、音楽のダウンロード販売が、20年後には、定額ストリーミングサービスが普及するようになりました。

 

パソコン上でクリックをすれば、簡単に世界中の音楽を聴けるという点では、Napsterの時と、今の時代は、そんなに大差ないと思います。

行為の内容自体は変わらないけど、違法行為だったものが合法的に、音楽ビジネス体系に組み込まれたということです。

 

それらを考えると、

今のAI歌手などの問題も、おそらく、10年後には、合法的に体系に組み込まれていくことは容易に想像がつきます。(おそらく、ブロックチェーン やトークンなどの技術で管理されていくのかな?)

 

本当、音楽業界、ユーザー側(リスナー側)も作る側も、目まぐるしく変わっていきますね。

 

最後に、私が個人的に思うのは、

果たして、AIの創作物に関して、人間はどこまで感動したり、共感したり、心を震わされていくのか、、という点です。

 

上記のように、AIとはいえ、フレディーの歌声を聴くと、そのファンが心震える気持ちもわかります。でも、フレディーはこの世にはもういないし、本物ではないんです。

 

AIが作詞しました。AIが作曲しました。AIが歌いました。

 

このようなAIの創作物に関して、人間がどこまで心震わすのかにとても興味を持っています。

 

とある実験では、AIに俳句を書かせたら、思いの外、高評価だったようです。でも、「この俳句はAIが作った」という事実がわかったら、その評価が落ちてしまったようです。

 

AIとわからなければ高評価。AIとわかったら低評価。

 

このへんもおもしろいですよね。

 

AIと言うと、テクノロジーのような話になりがちですが、

個人的には、こういう、人間がAI(の創作物)とどう向き合っていくかという心理や心の動きにとても興味があります。

 

最後にと言ってから、長くなってしまいましたね。。

 

以上、AI歌手の話からいろいろ思うことを書いてみました。

 

ではでは

 

 

私もQUEENのフレディの歌声が好きなので、AIフレディの歌声に心震える部分もあります。しかし、本物のフレディはこんなふうには歌わないんだろうなと同時に思います。なぜなら、歌には、その歌手の感性解釈が入るからです。AIはデータをなぞるだけで、感性解釈はないと思います。でも、そのへんもいずれできるようになるのかな?

 

 

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