コンピューターがすべてのメロディを作成(組み合わせ)して著作権を取得する時代
【「全てのメロディの著作権を取得する」という試みがなぜ未来の音楽を守ることになるのか?】
https://gigazine.net/news/20200212-copyrighted-melody/
・音楽の世界のパテント・トロールを防ぐために、「できる限りすべてのメロディを作り出して著作権を取得する」という取り組みが行われている
パテント・トロール=自身が保有する特許権の権利行使により、大企業などに対して特許権侵害を訴え、巨額な損害賠償金やライセンス料を得ようとする組織または個人。特に、訴訟を目的に第三者から特許権を買い集める者を指す。特許トロール。(参照:コトバンク)
・パスワードを総当たり攻撃するように、すべてのメロディを総当たりで作る
・ピアノの鍵盤は88個なので、すべてのメロデイを総当たりしようとすると2160垓という途方もない数のメロディを作りださないといけない
・そこで、1オクターブの「ド」から「ド」までに限定して、算出すると、コンピューターは6日間かけて687億個のメロディを作成
・ちなみに、「私たちは音楽を使い切ってしまうのか?」というムービーによれば、「1オクターブにおよぶ平均律の12音全てを使った8ノートのメロディ」は78億個。100人の作曲家が1秒あたり1つのメロディを作り出すと、78億個のメロディは248年で枯渇することが示された。248年という数字はかなり現実的で、時間だけに着目すれば、すでにメロディが枯渇されかけていていもおかしくない
・著作権を得た音楽は公表後95年後にわたって保護され続け、たった一人が独占し続けることができる。著作権により、力のある著名なミュージシャンが無名のミュージシャンに対して「それは私の歌だ」と主張し、相手を潰してしまうことも可能。そのような問題を防ぎたいがための取り組み
以上、記事引用参考
音楽(メロディ)を作るという音楽遊びはいつか終わりがくる
「すべての組み合わせのメロディをコンピューターで作る」
こういうことをする人はいづれ出てくるだろうなとは思っていました。実際、数秒に1曲ペースで作曲するAIもいますからね。
パテント・トロールという言葉は初めて知りましたが、要は、妙な権利主張をして難癖をつけてくるような人(組織)、という感じでしょうか。
そういうものに振り回されないように、事前にすべてのメロディをこっち側で所有してしまおう、という取り組みなのかな。
12音すべてのを使った8ノート(音符の数)のメロデイは、78億個。100人の作曲家が1秒あたり1つメロディを作れば248年で枯渇
8つの音の組み合わせと言っても、四分音符やら八分音符やら、いろんな音の長さが(譜割)あるので、一概にこの数字が合っているとは思いませんが、こうやって数値を算出されると、何百年後、何千年後かわかりませんが、いつかメロディが枯渇する日がくるのかもと思わされます。
だから、百年単位、千年単位で人類史をとらえれば、私たち音楽家は今、「メロディを新たに作り出す楽しみを謳歌できる貴重な時代」を生きているのかもしれません。
盗作問題、先に作った方が強い?アクセス数が多い方(メジャー)が強い?
上の記事では、ケイティペリーの「Dark Horse」がフレイムの「Joyful Noise」を盗作したとして訴えられた裁判にも言及しています。争点は、ケティペリーがフレイムの「Joyful Noise」を聴いたことがあるかどうか。「Joyful Noise」はYouTubeで300万回再生されるほど人気があり、ケティペリーが「聴いたことない」というのは無理があるとして、結果、ケティペリーの敗訴。(視聴回数300万回再生が聴いたことがあるかどうかの基準値?)
ここだけの話、世に出ている有名曲で、私が過去に作ったデモ音源に酷似している曲はいくつかあります。
でも、上述のように、メロディが枯渇しつつある中、似ている曲が偶然作られることも全然ありうるよな、と私は思っています。
それに、その「私の過去のデモ音源」は自分の手元にあるだけで公表しているものではないので、盗作とかパクられたということでは全然ないのです。
だから、私は溜め込んでないで、さっさと公に発信して、公開してしまえばよかったなあ、とか思っていたのですが、ケティペリー盗作裁判の話を読んでいたら、少し疑問に思う部分がありました。
それは例え話ですが、もし私が早い段階でデモ音源をどこかに公開していたとしても、それに似ている曲をリリースしたミュージシャンが「GATAのデモ音源なんて聴いたことないよ」と主張して、それが通れば、私は裁判に負けるということなのでしょうかねえ?(私のデモ音源の再生回数はたぶん300万回再生もいかないだろうし^^;)
つまり、
パクリパクられ、盗作問題、そういう著作権問題は、先に公開した方が強いの?それとも、アクセス数が多い方(認知度が高いメジャーアーティスト)の方が強いの?
、、という素朴な疑問です。
特許や商標権とかを考えると、単純に先に作った方が強いと思うのだけど、ケティペリー盗作裁判の件を見ていると、それよりも、「世間にどれだけ認知されているか」が重要視されているような気もします。
そうなると、裁判になったら、無名ミュージシャンより、力のあるミュージシャンの方が断然、有利ですよね。(先に作って公開すれば、無名ミュージシャンにも勝機があると思っていたのだけど)
そのへんに詳しい方、レクチャーお願いします。
・枯渇しそうなメロディ
・盗作問題
作曲家ならば、はずせないテーマです。そのせいか長々と書いてしまいました。いずれにせよ、早く、早く、いい曲を生み出していきたいですね。^^
ではでは
【2020.02.28、追記】
【アルゴリズムで作られた680億曲以上のメロディは「パブリックドメイン」として成立するのか?】
https://gigazine.net/news/20200226-lawyer-make-68-billion-melody/
現状、パブリックドメインとして成立するかどうかは微妙なようです。
8つの音を組み合わせと言っても、こんな等間隔の曲ばかりじゃないですからねえ。譜割のことを考えると、やはり、メロディの組み合わせはさらに倍増しそう。あと、こういう類の話、作詞でも言えるよね。「I love you」「君が好き」とか、作詞においても、言葉の枯渇、盗作という問題はあると思います。