人間は統計的事実(≒ステレオタイプ)に囚われやすい。全体を見る視点と個人を見る視点。
【差別をなくそうとするとさらに差別が拡大してしまう不都合な事実】
https://diamond.jp/articles/-/272795
・女性社員が出産で退社する割合が有意に高い→人材コスト的に男性ばかり採用→出産した女性が会社にいづらくなる→「やっぱり女性はすぐやめる」
・このような統計的な事実に基づいたステレオタイプを「統計的差別」という
<アメリカの調査>
・採用にあたって求職者に犯罪歴を訊ねることを認める州がある(書類に前科ありなしのチェックボックスがある)
・雇用機会の均等のために、これを廃止(バン・ザ・ボックス法)
・法施行前、チェックボックスにランダムにチェックをいれた書類審査で、面接に進む割合は、白人の名前が黒人の名前より23%高いことが判明(雇用主は人種で選別?)
・前科ありにチェックした応募者は、前科なしに比べて合格率が62%低かったものの、白人と黒人のあいだに大きな差はなかった
・法施行後、同様にチェックボックスのない書類を送ってみたところ、面接に進む割合は、白人の名前が黒人の名前より43%も高くなった(機会均等どころかむしろ逆?)
・雇用主は「黒人の方が白人より有罪判決を受けている割合が高い」という統計的事実で、無難な書類選考をしていると推測
・法施行により、統計的事実のせいで、前科のない黒人が被害者になってしまった。法施行の意味とは。
以上、記事引用、参考
全体を見る視点と、個人を見る視点は違うもののはず
ステレオタイプ、多くの人が思い込んでいる先入観、統計的事実
これらは必ずしもイコール関係ではないですが、関連性は結構あると思います。
そして、大小あるにせよ、これらに囚われていない人なんていないと思います。
身近な例でいえば、
男性は女性より力が強い、男性は女性より身長が高い
でも、これは統計的事実ではありますが、
必ずしも、そうではありません。実際、一般的な男性より力強い女性もいますし、身長が高い女性もいます。
上の、書類審査の調査は本当に考えさせられます。機会均等をはかはかろうとして法を施行したのに、結果として、機会均等にならず、別の形で被害者を作り出してしまいました。統計的事実(統計的差別)、ステレオタイプのせいで。
私もこのブログでよく、いろんな研究結果や調査、などを紹介していますが、それらの多くはあくまで傾向であり絶対ではないと改めて強調しておきたいです。
全体や社会を見つめる時は、統計的事実的な視点はありだと思いますが、
個人に対して、それをしてはいけないと思います。
自分の身になって考えるとわかりやすいかもしれませんね。
相手がもしも「一般的な男性ってこういうものでしょ?」という考えを自分に押し付けてきたならば、それは少し不愉快に感じると思います。
そもそも、そうなる時点で、自分という人間、個人を見てくれていないことにもなりますよね。
先入観のないフラットな視点というのは、なかなか難しいことですが、
向き合っている相手は、集団ではなく個人であり、独立した一人の人間であることを意識したいですね。
上の記事を読んで改めて、そう思いました。
全体を見る視点、個人を見る視点、同じであるはずがありません。
ではでは
初対面の時や関係が浅い時は、統計的事実で相手を見ちゃう傾向はあるかもしれません。そういう時は特に気をつけた方がいいかも。